知っておきたい!フローリングの基礎知識と費用相場

この記事では

お部屋の中でも大きな割合を占めるフローリングですが、使用する種類やデザインなどで印象が変わります。リフォームを考えている方々に向けて種類や施工方法など、フローリングの必要な情報を記載しています。この記事を参考にしてもらい、後悔のないリフォームになれば幸いです。

フローリングの種類

基本的には単層フローリングと複層フローリングという分けられ方をします。それぞれ特徴があり、メリット・デメリットがあります。

単層フローリング

単層フローリングとは無垢材のフローリングを指します。無垢材とは1本の天然木から切り出して作った木材のことで、それを板状に加工したものが無垢フローリングになります。

複層フローリング

複層フローリングとは下地となる基材(合板やMDFなど)に化粧材を貼り合わせたフローリングです。その化粧材の種類によって特徴が異なります。

挽板フローリング

2~3mm程度の厚みに切り出した木材を基材に貼り付けたフローリングです。

突板フローリング

0.2~0.6mm程度の厚みにスライスした木材を基材に貼り付けたフローリングです。

化粧シートフローリング

様々な柄(木質・石質など)が印刷されたシート(オレフィンなど)を基材に貼り付けたフローリングです。

メリットデメリット
無垢フローリング・木そのものの質感(温かみ)や経年劣化を味わえる
・調湿作用がある
・施工が難しい
・伸縮や膨張、反りが起こりやすい
・塗装の種類によっては、定期的なメンテナンスやお手入れが必要
挽板・突板フローリング・無垢材には及ばないが、木そのものの質感(温かみ)や経年劣化を味わえる
・無垢材には及ばないが、調湿作用がある
・無垢材と比べ、品質が安定している(伸縮や膨張、反りが起こらないわけではない)
・塗装の種類によっては、定期的なメンテナンスやお手入れが必要
化粧シートフローリング・木目柄だけではなく石目柄など、デザインが豊富
・お手入れが簡単
・品質が安定している(伸縮や膨張、反りが起こらないわけではない)
・無垢材など木そのものの質感(温かみ)や経年劣化は味わえない

その他

直張り用フローリング

マンションなどの非木造住宅で使用されるフローリングになります。基材の下に緩衝材が接着されているので、歩くとフワフワした感じがします。コンクリートスラブに直接張ることで一定の遮音性能が見込める商品があります。

重ね張り用フローリング

今使用しているフローリングの上に重ねて張ることもできるフローリングになります。重ねて張ることで、敷居との段差や建具の開閉に支障が出ないよう厚さが1.5~6mm程度と薄くなっています。

縁甲板

床の間や廊下、縁側・広縁などに使用される和風のフローリングです。一般的なフローリングと比べて小幅で長尺です。

フローリングに使用される木材

無垢や挽板・突板フローリングで使用される天然木にも材種があり、それぞれ個性あふれる木目や色合いがあります。

針葉樹

幹がまっすぐ育つ針葉樹は柔らかく軽量で、加工がしやすい樹種が多いです。年輪がはっきりしていて、木目はまっすぐ通っています。スギ、ヒノキ、パイン(マツ)など。

広葉樹

幹が太く曲がりながら枝別れして育つ広葉樹は固く重厚感があり、傷が付きにくい樹種が多いです。また、変化に富んだ個性的な木目が特徴です。オーク(ナラ)、ウォールナット、チェリー、メープルなど。

フローリングの性能

フローリングにはその部屋を使用する人や用途によって、適した性能があります。中にはその性能を備えたフローリングを選ばなかったがために、思いがけないことで傷や反りなどの不具合が生じる可能性があります。

お手入れ

水や汚れを染み込みにくくし、頑固な汚れも簡単に拭き取れます。中にはトイレや洗面所などの水廻りに最適なフローリングもあります。
※メーカーにごとに推奨されるお手入れの方法があります。よくフローリングを選ぶ際に必ず確認しましょう。

傷に強い

家具を引きずった際の擦り傷や物を落とした凹み傷、車いす・キャスターの傷がつきにくくなります。もちろん全く傷がつかない訳ではないのでご注意ください。

環境・衛生面

人体に健康被害を及ぼす可能性のある化学物質の発散濃度が低いフローリングで、F☆☆☆☆や低VOCなどの表示がされています。また、抗菌・抗ウイルス性能を有したフローリングには、SIAAマークが表示されています。

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ペット対応

ペットによる汚れや傷に強いことはもちろんですが、小型犬などの足腰の負担を軽減するために防滑性を有しています。

床暖房対応

床暖房の熱により引き起こされる伸縮やひび割れ、反りを防ぎます。床暖房を備えている場合は、必ず対応したフローリングを使用しましょう。

防音性能

一般的にマンションの管理規約には床の遮音性能についての決まりが設けられており、LL-45やΔLL(Ⅰ)-4など遮音等級を有した床が求められます。遮音性能を有したフローリング(単体で)は主に直貼り用フローリングになります。

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施工方法

床下地によって施工方法が異なります。主に木造住宅かマンションなどのRC住宅で使い分けがされています。

根太工法・捨て張り工法

木造住宅に見られる工法になります。根太工法は大引き・根太の上に、捨て張り工法は大引き・根太+合板(12mm程度)の上にフローリングを張ります。近年は、大引き+合板(24~30mm)の上にフローリングを張る剛床工法が採用されている住宅が増えています。

二重床工法

マンションなどの非木造住宅に見られる工法になります。コンクリートスラブに防振ゴムの付いた支持脚で床を浮かせるシステムです。支持脚+パーティクルボード(20mm)の上にフローリングを張ります。このシステム自体が一定の遮音性能を有しています。

直貼り工法

マンションなどの非木造住宅に見られる工法になります。コンクリートスラブに直接フローリングを張ります。

重ね張り工法

既存のフローリングを残したまま、その上に新しいフローリングを張ります。既存の床や下地を撤去をしなくても済むというメリットがあります。

メリットデメリット
フローリングの張替え・床下地の状態が確認でき、必要に応じて下地を組みなおすことができる
・段差や床鳴りなど解消できる
・費用が重ね張りと比較して高い
フローリングの重ね張り・費用が張替えと比較して安い
・工事期間が短い
・工事の騒音は張替えと比較して少ない
・仕上がりは既存のフローリングや床下地
に依存する
・床下地の状態を確認できない
・敷居との取合い(段差など)を考える必要がある

施工手順・期間

6畳の和室を洋室(畳からフローリング)にする手順をご紹介します。

養生・家具移動

玄関など職人が出入りする場所から、フローリングの張替えを行う部屋までの床や、必要に応じて壁・家具などが傷がつかないように養生を行います。家具などがあれば、別の部屋へ移動を行います。

STEP
1

既存床・下地の撤去

既存の畳を剥ぎ、既存の下地が利用できるのかどうかを確認します。必要に応じて下地の撤去を行います。

STEP
2

下地組

フローリングを張った際に敷居との段差ができないよう考慮して下地を組んでいきます。

STEP
3

フローリング張り・巾木取付

墨出しを行い、1枚づつフローリングを張っていきます。最後に巾木を取り付けます。

STEP
4

完了

清掃をした後、床表面の傷がないか、床鳴りやたわみがないか確認を行います。問題がなければ、家具を元の位置に移動し完了になります。

STEP
5

上記内容だと工事期間は3~4日です。既存の下地を利用する場合はもう少し早くなる可能性はあります。

メーカー

永大産業、大建工業、ノダ、ウッドワン、Panasonic、LIXILなどが主なメーカーになります。フローリングを生産・販売しているメーカーは数多くありますが、記載したメーカーはフローリング以外の内装建材も豊富です。

幸健ホームの参考価格

参考までに幸健ホームの見積りの一例をご紹介します。

2023.8現在、フローリング張替え工事(6畳三六間→フローリング、既存大引を利用し下地新設の場合)

・既存畳、下地(床板、根太他)撤去手間1式¥20,000
・既存畳、下地(床板、根太他)処分費1式¥20,000
・養生費1式¥3,000
・根太掛け 30×105×40004本¥1,700¥6,800
・根太 45×60×300013本¥1,300¥16,900
・合板 t=12 3×66枚¥3,600¥21,600
・シートフローリング(当社指定)3坪¥12,000¥36,000
・巾木4本¥1,600¥6,400
・大工施工手間1式¥55,000
・消費税¥18,570
合計¥204,270

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はフローリングのリフォームを考えている方々に向けて解説をしました。この記事に関する質問やご相談などがありましたら、お問合せフォームよりご連絡をください。

他にも住宅に関する記事を発信しています。ぜひご覧になってもらえればと思います。