知っておきたい!トイレリフォームの基礎知識と費用相場

この記事では

どんなトイレが理想ですか?「お掃除のしやすさ」「清潔性」「快適性」など、トイレに求めるものは人それぞれです。
リフォームを考えている方々に向けて、居心地の良いトイレを実現するために必要な情報を記載しています。この記事を参考にしてもらい、後悔のないリフォームになれば幸いです。

各メーカーとカタログ

トイレの主なメーカーはTOTO・LIXIL・Panasonicです。この3社が国内のシェアをほとんど占めています。どのメーカーの商品を選ぶか決まっていなければ、この3社から検討するのがおすすめです。

メーカーカタログを請求してください。どのリフォームにも言えることですが、商品の特徴を把握するにはカタログを見るのが一番です。初めは事例写真を見て、イメージ作りの参考にしてください。


カタログの閲覧・請求の際は、下記記事をぜひ参考にしてください。

※2023.7現在、おすすめのカタログの名称は「TOTO レストルームカタログ」、「LIXIL 2023住宅トイレ」、「Panasonic アラウーノトイレ設備」になります。語尾に請求や閲覧と追記して、検索してください。

トイレリフォームの前に

現在使用されているトイレの下記項目を確認してください。どのトイレを選ぶことができるのか、またその他の工事(大工、電気、大掛かりな給排水工事)の必要性などが分かります。

排水方法と排水芯

トイレにはそれぞれ対応した排水方法・排水芯があります。対応したトイレを選ぶことで、排水管移設の必要がなくなり、床や壁を解体する必要がなくなります。

排水方法

トイレの排水方法には床排水と壁排水の2種類があります。

排水芯

・床排水の測り方
トイレ背面の壁から排水管の真ん中までの距離になります。ただ排水管は床の中にあり見えませんので、トイレを床と固定しているビスのキャップ真ん中までの距離を測ります。
※ビスキャップが2つある際は、大きい方のキャップで測ります。

床排水の場合、排水芯は200mmが一般的です。200mm以上になるとリフォーム専用のトイレから選ぶことになります。


・壁排水の測り方
床から排水管の真ん中まで測ります。ポイントはトイレ側ではなく、壁際の下がっている排水管で確認してください。

壁排水の場合、排水芯は120もしくは155mmが一般的です。

既存便器の品番

便器の品番を確認することでも、排水芯が確認できます。実際の寸法と合わせて確認してください。

便器の品番の確認方法(TOTO・LIXILなど)は、一般的にトイレ正面向かって左下側面に記載があります。「品番○○○○ 排水芯」と検索すると排水芯が分かります。

トイレ室内の寸法

選びたいトイレによって室内の必要最低限の奥行・幅が異なります。奥行はトイレの奥行+400mm、幅はトイレの幅+300mmを目安として室内の寸法を確認してください。

奥行に関しては、どのメーカーもトイレの先端から向かいの壁まで400mm以上の寸法が必要と記載があります。400mm以下だと、便座から立ち上がる際の窮屈さはもちろんですが、便座のオート開閉やオート洗浄など思い通りの動作が見込めない可能性があります。

また、背面キャビネット付や手洗い付などのシステムトイレを検討される場合は、上記と比べより広いスペースが必要になります。製品によって条件も異なりますのでこの点に付きましては、リフォーム業者に設置可能かどうか確認してもらうのがおすすめです。

※トイレの寸法が、奥行760mmなら760+400=1160mm、幅が380mmなら380+300=680mmがトイレ室内の必要な寸法の目安になります。

コンセントの有無と位置

新たに温水洗浄便座(ウォシレット)を設置する際はコンセントが必要になります。また、便器と離れた場所にコンセントがある際は、電源コードが届かないことがあります。その際は増設も検討してください。

水圧

タンクレストイレの場合、一定以上の水圧が必要です。下記項目に該当する場合、水圧が低い可能性があります。洗面台の蛇口やシャワーなどで一度水圧を確認してください。

・築年数が20年以上
・2階以上のトイレ
・井戸水を使用している

※現在はタンクレストイレでも、一般的なタンク式トイレが必要とする水圧があれば問題ないという商品があります。しかし、水圧が極端に弱いと感じる場合は、リフォーム業者に確認してもらうのがおすすめです。

合わせて行いたいリフォーム

床(クッションフロア、フローリングなど)や壁・天井(ビニルクロスなど)の状態を確認してください。トイレ室内の仕上材は、その他の部屋に比べ劣化が早いです。既存のトイレを取り外した際に、トイレの跡が残ってしまうこと(新しいトイレの大きさによっては隠れない)もあります。

カタログなどを見ると、掲載されているトイレ室内の写真からイメージが膨らむかと思います。新しいトイレを選ぶ際に、一緒に検討するのがおすすめです。

また、合わせて行う場合だと、既存の便器を取り外してからの施工になります。特に、床の貼替えは便器がある状態に比べ、仕上がりがきれいになるメリットもあります。


床・壁材選びの際は、下記記事をぜひ参考にしてください。

関連記事

・知っておきたい!フローリングの基礎知識と費用相場
・知っておきたい!クッションフロア・長尺シート・フロアタイルの基礎知識と費用相場
・知っておきたい!壁紙貼替えの基礎知識と費用相場

トイレの種類

メーカーによって名称は少し異なりますが、下記が主なトイレの種類になります。それぞれメリット・デメリットがあります。

組み合わせトイレ

便器(+タンク)と便座が組み合わさったトイレになります。商品を選ぶ上で、便器だけではなく、別売りの便座を選ぶ必要があります。

引用:TOTO ピュアレストEX

一体型トイレ

便器(+タンク)と専用の便座が一体型になったトイレになります。

引用:TOTO GG3-800

タンクレストイレ

便器と専用の便座が一体型になっていて、かつ水を貯めるタンクがありません。

引用:TOTO ネオレストRS

システムトイレ

収納や手洗器などの設置がセットとなっているトイレになります。

メリットデメリット
組み合わせトイレ・価格が下記2つと比べ低い
・便座のみの交換ができる
・タンク上部の手洗器の有無を選べる
・凹凸があり下記2つと比べ清掃がしづらい
・タンクに水が溜まるため、続けて水を流すことができない
一体型トイレ・意匠性が高い
・凹凸が少なく清掃がしやすい
・タンク上部の手洗器の有無を選べる
・タンクに水が溜まるため、続けて水を流すことができない
・便座が故障した場合、本体(便器)ごと交換しなければならないことがある
タンクレストイレ・意匠性が高い
・タンクがなくコンパクトなため、上記2つと比べ空間が広くなる
・水を連続で流せる
・凹凸が少なく清掃がしやすい
・トイレ本体に手洗器がない
・お住まい(マンションの2階以上など)によっては、水圧が弱く設置ができない場合がある
・便座が故障した場合、本体(便器)ごと交換しなければならないことがある
システムトイレ
・セット商品のため、カタログ通りのトイレになる
・収納やカウンターなどのカラーコーディネートが可能
・収納がある場合、小物類の整理整頓ができる
・手洗器の設置は既存の給排水を利用するため、手洗器を新たに設置する場合と比べ、費用負担が少なくなる
・価格がトイレのみの交換と比べ高い
・通常よりも間取りに制約(広いスペースが必要)がかかる
・上記3つと比べ工事時間が長くなる

ウォシュレット(温水洗浄便座)の種類・機能

基本的な機能は、どのメーカーやシリーズにも備わっています。大事なポイントは、オプションが必要かどうかです。下記がウォシュレットの主な種類とオプションになります。

※便座のみを取替える場合、一般的な洋風トイレなら設置は可能です。形状や色合いなど便器との一体感を重視するなら、お使いの便器と同じメーカーの商品を選ぶのがおすすめです。

袖リモコン・壁リモコン

一体型トイレやタンクレストイレの便座は、壁リモコンが主流です。組み合わせトイレの便座を選ぶ際、または便座のみを取替える際に袖リモコンを検討してください。

袖リモコン

リモコンがウォシュレットと一体になっています。

壁リモコン

単体のリモコンになっており、壁に設置します。

メリットデメリット
袖リモコン・価格が壁リモコンと比べ低い
・壁リモコンのように、壁に穴をあける必要がない
・リモコンがトイレ横にある分、壁リモコンと比べ清掃がしづらい
・下記に記載のオプション機能はほとんど選ぶことができない
※温風乾燥機能は可
壁リモコン・便器との一体感があり、袖リモコンと比べ清掃もしやすい
・意匠性の高いリモコンが増えている
・下記に記載のオプション機能がついた商品が豊富
・価格が袖リモコンと比べ高い
・壁に穴をあけて設置する必要がある

貯湯式・瞬間式

洗浄に使う水を加熱する方式が2つあります。

貯湯式

ウォシュレット内にタンクが内臓されています。タンク内に水を貯めておき、加熱された温水が出る仕組みです。上で記載した袖リモコンはすべてこの方式になります。

瞬間式

貯湯式のようにウォシュレット内にタンクはありません。瞬間的に加熱され温水が出る仕組みです。

メリットデメリット
貯湯式・価格が瞬間式に比べ低い・電気代が瞬間式と比べ高い
・タンクを内臓しているため、厚みがある
・連続で使用すると、湯が切れることがある
瞬間式・電気代が貯湯式に比べ低い(使用するときに水を加熱するため)
・タンクが内臓されてないため、すっきりとしたデザイン
・連続で使用しても、湯が切れることがない
・価格は貯湯式に比べ高い

オート開閉

自動で便座のフタが開閉する機能なので、便座のフタに直接触れることがなくなります。

リモコン洗浄、オート洗浄

リモコンの操作、または便座から立ち上がると自動でトイレを洗浄する機能です。

※専用の部品をタンクに取り付けます。便座のみの取替の際は、設置の可否をリフォーム業者に確認してもらうのがおすすめです。

温風乾燥

温風により乾かす機能です。上記2つと比べて、いる・いらないがはっきりしている機能かと思います。便座単体でのメーカー希望小売価格を比較しても20,000円前後の違いがあります。

抗菌・洗浄、省エネなど

便器を清潔に保つ機能や、豊富な種類の洗浄機能が各メーカーにあります。その他にも節水や電力節減につながる省エネ機能があります。

リテールモデル

家電量販店やホームセンターなどで、販売されている商品になります。メーカーの総合カタログには掲載されておりません。カタログに掲載されている商品と比較して、機能が一部省かれている商品(基本的な機能は備わっています)ですが、お求めやすい価格になっています。この機能がなくても問題ないとういことであれば、リテイルモデルの検討もおすすめです。

各メーカーの価格帯と保証期間

同じトイレの種類でも、メーカーによって価格は異なります。下記はトイレの種類ごとに、各メーカーの主なシリーズ本体価格が比較できる表になります。あくまでメーカー小売希望価格(税抜き)なので、ご参考までに確認してください。

TOTOLIXILPanasonic
組み合わせトイレ・ピュアレストEX
¥125,200~
・ピュアレストEX
¥101,500~
・アメージュ便器 ¥104,500~
一体型トイレ・GG
¥256,100~
・GG-800
¥262,100~
・プレアスLSタイプ ¥225,900~
・アメージュシャワートイレ
¥223,300~
タンクレストイレ
・ネオレストNX
¥676,000~
・ネオレストLS
¥437,000~
・ネオレストAS
¥393,000~
・ネオレストRS
¥311,000~


・サティスGタイプ ¥347,000~
・サティスSタイプ ¥276,000~
・アラウーノL150
¥342,000~
・アラウーノS160
¥242,000~
・アラウーノV(専用便座付)
¥180,000~

※2023.7現在、カタログ掲載の希望小売価格(税抜)です。
※一般地、床排水、排水芯200mmの条件を想定しています。
※組み合わせトイレは便器+タンクの希望小売価格(税抜)です。
※手洗いの有無を選択できる場合は、なしの希望小売価格(税抜)です。


保証にはメーカーの商品に対する保証(取付日から)と、施工業者の工事に対する保証、家電量販店などの保証があります。メーカー保証に関してはどのメーカーも1~2年の無料保証、オプションとして5~10年の長期保証があります。製品によって内容は異なりますので、希望の商品がどのような保証なのか確認してください。


保証の詳細は、下記記事をぜひ参考にしてください。

関連記事

・知っておきたい!リフォームにおける保証とは

ショールーム

少しでも気になることがあれば、ショールームを活用してください。実際の使用感を確かめるのはもちろんですが、常駐のスタッフは商品に関しての専門家です。不安を少しでも解消するため、どんなことでも聞いてください。

関連記事

・知っておきたい!ショールームの上手な活用方法

見積りの注意点

トイレのリフォームに関しては、インタネット上やその他媒体にて工事価格を公表している専門業者、ホームセンター・家電量販店などが多く存在します。この商品ならこの価格で工事ができると、ある程度わかります。

初めて依頼する業者からの見積り価格は、それが適正なのか判断するために情報を集め、比較してください。


初めてリフォーム業者を選ぶ際は、下記記事をぜひ参考にしてください。

関連記事

・知っておきたい!リフォーム業者の選定基準

施工手順・期間

一般的な洋式トイレを取替える際の流れになります。工事中はトイレの使用はできませんので、事前にトイレが使える近隣施設などを確認してください。

養生

玄関など職人が出入りする場所から、トイレまでの床や必要に応じて壁・家具など傷がつかないように養生を行います。

STEP
1

既存トイレの取り外し・撤去

トイレの取り外しを行います。

STEP
2

給排水工事

必要に応じて給排水管の工事を行います。

※内装工事がある場合は、このタイミングで行います。

STEP
3

トイレの搬入・設置

新しいトイレの設置を行います。

STEP
4

完了

きちんと動作をするかテストを行います。問題なければ、操作や保証の説明を行って完了になります。

STEP
5

上記内容だと工事期間は半日~1日です。ここに内装工事があると+1日は見込んでください。

※施工内容や既存の状態によっては+1~2日はかかる可能性があります。事前に説明はありますが、リフォーム業者に確認をしてください。

幸健ホームの参考価格

参考までに幸健ホームの見積りの一例をご紹介します。

2023.7現在、トイレ取替え工事(組み合わせトイレ+基本性能のみの便座)

・既存洋式トイレ撤去¥5,000
・既存撤去残材処理(便器・タンク、便座)¥7,000
・便器  TOTO:ピュアレストQR CS232B¥21,200
(定価:49,400)
・タンク TOTO:手洗付密結タンク SH233BA¥28,700
(定価:66,900)
・便座  TOTO:SB TCF6623 ¥25,300
(定価:93,000)
・取付施工費 ¥25,000
・消費税¥11,220
合計¥123,420

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はトイレのリフォームを考えている方々に向けて解説をしました。この記事に関する質問やご相談などがありましたら、お問合せフォームよりご連絡をください。

他にも住宅に関する記事を発信しています。ぜひご覧になってもらえればと思います。